現在の〇〇〇は巨額な伝票発行機!?|未来教育設計

みらきょーシンキング

現在の〇〇〇は巨額な伝票発行機!?

吉住|みらきょーシンキング|2007年02月18日(日)03:11
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私がコンピューターに出会ったのはペラペラの5インチフロッピーの時代でした。勤務先が経理コンピューターの製造・販売をしている上場企業の支社だったので社内の営業事務や在庫管理のほか、ソフトウェアのインストラクターをやってました。新規のお客様には、ソフトウェアの使い方をお教えすることが中心でこれはまあなんとか出来るようになっていったのですが、既存のお客様からのお問合せはほとんどがトラブルについてで、これが重なり溜まっていくと気持ちが暗くなったものです。バックアップをとっていなかったフロッピーが壊れてしまって開かない、急いでデータ復元してくれと言われ・・・・・
なぜ決算月は一度設定すると変更不可になるのか、
商品をもっと詳細に分けて入力できないのか、などなどのお叱りをうけるたびに、
「申し訳ありません。そういうプログラムになっていますので、変更できません。」と言っている自分自身に納得がいかず・・・・・
今から思えば、ユーザーフレンドリーと言う用語もあてはまらないようなガチガチの経理伝票発行機であったように思えます。それでも当時はお客様が、高額な機械と共にご購入くださいました。

それから数年後私が独立した頃には、経理専用機ではなくパソコンの時代になりました。顧問先で業務改革にあたり情報化投資を検討した際のこと。
経理部を初めとする各部門担当にヒアリングを行い、誰がいつ何のデータを会社に提供し、そのデータを月次まで使っていくのはどの部署であり、誰であり、どのタイミングなのか、について細かく業務分析を重ねて、データとお金の流れをフローチャートに表しました。予測していたこととは言え難点が多く出てきました。顧問先は、仕入れ⇒販売だけでなく、仕入れに伴う工事があったり、販売後の商品のリプレイスがあったり、その過程で必要となる工事担当社員・アルバイトの数によって売上額が変動したり、と売り方が多岐に渡ったのです。ですから、単純な商品マスターで売上額がはじき出せるものでもなく、取引先の事情によっては当日に工事担当者数が増えたり減っていたりするという変則的な対応も多かったのです。結果、例外処理が多いために経理伝票や請求書はすべて手書きで集計に時間がかかる、社長が自社の資金繰りをリアルタイムに正確なデータで把握できず、利益があがっているにも関わらずあわや銀行残高がショートしかける、という事態になっていました。
そこで重複している作業や伝票などを無くせる業務プロセスに近づくように整理整頓し効率化しました。しかしこれでは根本原因は取り除けないので、情報化投資による業務の清流化を目指したわけですが、既存の会計ソフトウェアや販売管理ソフトウェアを調べたところ、役立つのは業務の半分ほどで、肝心かつ複雑な業務部分はカバー出来ませんでした。
ベンダーに依頼し、既存パッケージのカスタマイズ化でコストを押さえる方法も検討しましたが、見積りの結果、数百万から一千万のイニシャルコストが必要で、成長企業とはいえ中企業の顧問先はこの情報化を見送る判断をしました。

それからまた数年後、ITコーディネーターの資格を取得する頃には、ERP(企業全体を経営資源の有効活用の観点から統合的に管理しようとするソフトウェア。ドイツのSAP社のR3やオラクル社のものが有名。)が脚光をあびていました。カタログを見るとかなり高度な分析もできるようで、経営管理ツールとしての期待を寄せて、あちこちのデモセミナーに出てみました。
私個人の結論としては、
・その経営分析が出来ることよりも、企業現場はもっとスムーズに柔軟にデータの入出力ができるシステムであることの方を求めているのではないか。カスタマイズ(追加投資)するしかないのか。
・数千万から数億の規模で情報化投資(ハードのみならず前後のコンサルフィーも含め)が可能な企業でなければ話にならない。
でした。

それ以来、管理ソフトウェアに特別に興味を持たなくなっていました。が、昨日、あるセミナーで興味深いERPに出会いました。
その開発者であり現在の経営者であるT氏は、「済んだことを見る簿記会計はどうでもいい、今、会社はどうなのかを見れることが大事」と力説し、「現在のS〇P/R3も巨額な伝票発行機だ!」と言い切った人ですが、開発趣旨を聞いて私はとても納得できたのです。
また導入価格が経理社員1人分の年間給与であり、年間保守料がその10分の1という点で中小企業にも手が届くパッケージになっています。
システムの作りで特に合点がいったのが次の5点。
・商品マスター一本ではなく、製品マスターとその他マスターがあり、様々な売上形態の入力が可能。
・得意先マスターと受注入力画面が密接にリレーションしており、与信限度額や取引先状態(所在地変更、代表者変更、入金条件変更など)によって警告メッセージが適時に表示される。⇒注文を受ける段階で不良債権を増やさないチェックが出来ることになる。
・例えば、受注入力した営業マンが警告メッセージから直接、得意先元帳を閲覧でき、未入金取引先チェックも行えるなど、使い勝手がいい。⇒経理部門のみがチェックするのではない全社でのリスク管理が出来る。T氏の会社は4800社の取引を持つ上場企業でありながら、昨年の貸し倒れ損失は二十数万円だったそうです。
・銀行取引メニューでは預金と借入金を一体で管理して、実効金利をはじき出すなど、元銀行員ならではの視点が活かされている。⇒金利の高低のみを見て借入を決めるのでなく、預金残高とのバランスも見て、最適取引を選択できる。
・設備投資計画メニューが、固定資産管理メニューと銀行取引メニューとリンクしているため、設備投資後の総借入に対する返済総額が利益でまかなうことが出来るかどうかシミュレーションできる。⇒設備投資に失敗し、運転資金を食いつぶし、金策に走るという事態をあらかじめ回避できる。
「「ささいなことの集まり」ソフトウェアですから、カタログにフローチャートを書こうとしても書けません。」とT氏は言います。企業では経営活動を続けていけばいくほど様々な対応・処理が増えてきます。フローチャートが二次元(平面)で書けて、パッケージソフトウェアにぴったりはまる企業のほうが稀だと思う私は、大きくうなずいたという訳です。

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